私はパトワが大好きです。今年2021年の1月13日、アトランタから飛び立った飛行機がジャマイカの首都キングストンに降り立って間もなく、飛行機の外から整備員か何かのおっちゃんの叫び声が聴こえました。その「え?え?ちゃうがな、そこやないか!」的べたべたのパトワの響きが「あ~ジャマイカに戻ってきたな~」と感じさせ、思わずにやっとしていた私です。
<目次>
1、パトワ語の語源
パトワはジャマイカのクレオールで、アフリカ奴隷が話すアフリカ語と植民地支配をしていたイギリス人が話す英語がミックスされて生まれたと考えられているそうです。ジャマイカの学校教育では、基本的にパトワは禁止で生徒には授業中は正しい英語を話すことが求められます。公用語である英語を正しく使えるかどうかは安定した仕事に就けるかどうかにも直結するため、学校現場では正しい英語の取得が求めれるのです。とは言っても多くの先生も生徒もパトワがネイティブランゲージのようなものですから、休み時間などはパトワで溢れています。
2,Miss Louの功績
しかし、パトワこそがジャマイカオリジナルの文化を形成しているということで、文化保存のために学校でもジャマイカ語を教えるべきだと主張するグループもいます。Miss Louの愛称でおなじみのルイーズ・ボネット(1919-2006)は文化的パトワの保存に注力した人物ですが、ジャマイカの独立記念日や解放記念日などのイベントでは必ず彼女の功績が称えられます。
3、唯一無二、パトワ語の魅力
パトワの訛り方には規則性があります。「珍道中!ジャマイカ日記⑭」でも書いたhustling(ハスリング)が「オスリン」になるのはHの発音が抜けるからで、イタリア、スペイン、フランスでもHは発音しないそうです。N音がべたっとしてジャマイカ語のHow are youであるワーグワンが「ワーグワーァヌ?」になるのはアフリカ由来なのかもしれないし、なぜかSomethingの真ん中を全部省略して「ソッム」と言ったり、その規則性に気づくと「なるほどな~」と面白い。
今日はわたしが「なんじゃそりゃ!」と思った面白いフレーズをいくつか紹介します。
A it man! (アイッマン!)ほんまそれ!
Mi cyaan badda.(ミキャーンバダ)マジ無理。
Yuh nuh easy.(ユノイージー)やるやん。おもろいやん。さすがやん。
日本人が書いたパトワ語辞典はたくさんありますが、言葉遊びが好きなジャマイカンはどんどん新しい表現を創り出すので、私もいつか更新版を書きたいな~♪