さをり織りをジャマイカへ
さをり織り とは、1968年に城みさを氏が大阪で始めた手織りで、年齢や障害を問わず誰でも自由に自分を表現することを目的としています。ひとりひとりが持つ個性や感性を織り込む、つまり「差異を織り込 む」というのが語源になっているそうです。
規則正しい一般的な織物とは異なり、タテ糸が抜けたり、「キズ」があったりと、不規則な織り方です。それであってどこか美しく、趣があるのがさをり織りの魅力です。アートである以上、見本もなければ、ミスや失敗というものもなく制約もありません。何を何色でどんな風に織るか、すべて織る人の個性を存分に表現できます。
ジャマイカには、日本のように障害のある人たちが日中活動をする福祉作業所がなく、大企業が障害のある人を一定の割合雇用しないといけない法律もないため、卒業後に社会との繋がりを失ってしまう学生が少なくありません。「彼らの居場所を社会に作りたい。」そんな思いから、ジャマ イカで障害のある人たちとさをり織りに挑戦することを決めました。さをり織りは障害を持つ人でも親しみやすいので、彼らと共に商品を作って販売することを目指しています。
皆さんから頂いた寄付金や年会費を費用に充てて活動しています。重度の障害を持つ人にさをり織りのスキルを習得してもらうのは根気のいる作業ですが、彼らが作った製品を日本の皆さんに紹介する日を夢見て、諦めず地道に取り組んでいきます。